会長あいさつ


夢をもとう、夢を実現しよう

 2024年(令和6年)も早や3か月が過ぎ、新年度を迎えて街並みの装いにも春の訪れを感じるこの頃、会員企業の皆様いかがお過ごしでしょうか。

 ロシアによるウクライナへの武力侵攻の長期化、中東での軍事衝突など世界情勢は混沌としており、一方国内では、政党派閥の政治資金を巡る問題が政界を大きく揺るがす展開となっています。

 このような状況の中ですが、昨年度令和5年3月に行なわれたWBC世界野球大会を話題から外すわけにはいきません。栗山監督率いる侍ジャパンチームが見事に米国を破り14年ぶりに世界一の栄冠を獲得したニュースは、普段野球に興味を示さない階層からも注目を集めました。ダルビッシュ選手や大谷選手のみならず試合に出られない控え選手やスタッフ、サポーターまでが一丸となって夢を目指す姿には感動を覚えましたし、侍ジャパンの取り組みかたは企業経営にも通じる何かを感じさせてくれた出来事でした。

 その後も野球関係の話題は後を絶たず、大谷選手が大リーグ日本人初の本塁打王に、併せて2年連続のMVPも獲得し、12月には総額7億ドルの気の遠くなるような史上最高額、10年契約でエンゼルスからドジャースへ移籍しました。

 2024年は元日早々に起こった能登半島地震により甚大な被害が発生しました。犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、近い将来必ず起こると言われている東南海地震に備え、自らの足元を見つめ直す必要があります。

 2024年も慢性的な人手不足や原材料価格の高騰など、相変わらず企業を取り巻く経営環境は厳しいものがあり、先行きも不透明な状況は続くものと思われますが、昨年後半から感じられるデフレからの脱却と企業の生産性向上の動きは、着実に中部圏の経済を活気づかせてくれることと期待しています。

 また、この4月には労働基準法が改正され就業条件の明示化や人工知能(AI)の適切な開発利用に向けたルール作りも導入されます。

 こうした中で、当振興会は変化する時代のニーズに的確に対応していくためにも、会員企業の皆様のご協力のもと、異業種間での情報交換をより活性化するとともに、会員企業にとって有益な情報を名古屋市をはじめとした関係支援機関のご支援ご協力の中で提供してまいりたいと存じます。

 「ものづくり愛知」という地域特性を背景に、当振興会は会員企業の皆様がますます発展していけるよう事業運営に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 

令和6年4月吉日

名古屋中小企業振興会 会長 前川功冶(豊中工業株式会社 代表取締役社長)